アンラーニングのプロセスと現実の難しさ

アンラーニングのプロセスと現実の難しさ

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こんにちわ。組織開発がミッションの人事グループ・組織開発室に所属しているてぃーびーです。
世の中の変化の速度が上がり、組織も個人も変化に適応することが重要になってきています。
変化の適応において、アンラーニングが必要になってきます。
前回中核的アンラーニングと表層的アンラーニングの2種類について紹介しました。
アンラーニングそのものについては、前回の記事を参照ください。
今回は、アンラーニングのプロセスについてまとめます。

書籍情報

  • タイトル : 仕事のアンラーニング 働き方を学びほぐす
  • 著者 : 松尾 睦
  • 出版社 : 同文舘出版
  • 出版日 : 2021/6/17

アンラーニングのプロセス

アンラーニングには以下のプロセスがあります。
  1. 促進要因
  2. リフレクション
  3. アンラーニング
  4. 成果

1 促進要因

促進要因は、アンラーニングを促すきっかけです。
特に典型的なきっかけは、仕事上の立場が変化して、変化を余儀なくされるようなケースです。
例えば、
  • メンバーからリーダーへ
  • リーダーからマネージャーへ
  • 部門の異動による環境の変化
  • 転職による環境の変化
などです。

2 リフレクション

リフレクション、つまり内省は自分の考え方をふりかえり、見つめ直すことです。
特に「自分の中での当たり前」を疑うような部分まで掘り下げた内省を批判的内省と呼びます。
アンラーニングにおいては、この批判的内省が必要になりあmす。
批判的内省をする場合、自分だけではなく、周囲の支援を受ける方法もあります。
コーチングを受けて批判的内省を促してもらうのが典型です。
アンラーニングのきっかけを得た後、批判的内省の機会を作り、考え方の転換が必要であることを自覚し、転換のための行動に踏み出す必要があります。

3 アンラーニング

促進要因できっかけを得て、リフレクションで転換の必要性を自覚し、行動を決意し、次に実際のアンラーニングを行います。
変化の必要がある部分を理解し、どのように変えるかを計画し、周囲から必要な支援を取り付け、実際に行動に踏み出します。

4 成果

アンラーニングの結果、自己の価値観、考え方が現状の環境に必要なものに変化し、よりよい成果につながります。

現実の難しさ

アンラーニングのプロセスがわかったとしても、簡単に変化できるとは限りません。
自分が大切にしている考え。過去の成功に基づいた価値観。
これらが今の環境や立場に適していない、ということを認める事はとても難しいことです。
ありがちなのが、今うまく行っていないのは環境や他者の側が誤っているという結論に至るケースです。
こうなると、自分の変化の必要に対する考えはこれ以上進展しません。
この状態になったときに自分だけの力で先に進むことはかなり困難です。
その意味で「この人が言うのなら」という信頼関係のある上司や同僚が鍵になります。
また、その上司や同僚が単に信頼できるだけではなく、そういった転換が必要な「伝えにくい指摘」を伝えてくれる人でいてくれる必要があります。さらに、この上司や同僚からみた自分も「言いにくいことを伝えてでも成功して欲しい人」と思ってもらえている必要があります。

まとめ

アンラーニングのプロセスについてまとめました。
理屈の上では必要な内容は分かりますが、「現実の難しさ」に記載した部分の難しさがあり、実際に考え方を転換するようなアンラーニングをできることは稀でしょう。そのため、アンラーニングをしたい本人も、アンラーニングを促したい周囲もうまくいかなかった場合に気に病むことはないでしょう。

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